奨学金という名の借金をして自己破産からご家族が連鎖破産までする方々が、今の日本ではたくさんいる。そんなニュースに心を痛めてきました。
新型コロナウイルスで経済の悪化が免れない中、過去のNHKクローズアップ現代で取り上げられたような大学生が非常に増加しているだろうと思われます。自己破産の前に奨学金が払えなくなったらやるこということであれば、下記記事が詳しいので是非参考にしてみてください。
本記事は現在高校三年生や浪人生、それと海外での留学を希望している人たちに低コストで海外留学に行けるという選択肢もあるということを知ってもらうために書いています。日本で借金をしてまで大学に行くより、より低コストな海外の大学に行く方がいいのでは?という疑問から本記事は執筆されました。
もちろんその教授やその大学でなければどうしても駄目という場合には、その大学に進学すればいいと思いますが、そうでなければ学費が非常に高い日本で大学に進学する必要があるのでしょうか。いやそんなことはないだろうと思います。
もちろん新型コロナウイルスの感染が拡がっている世界の状況では留学にはとても行けないのではないかと思いますが、これからの選択肢の一つとしてしていただければ幸いです。
世界の大学を比較する
THE世界大学ランキングは5分野13指標でスコアを算出しています。
各分野・指標の比重は以下の通り。
◇教育(教育環境) 30%
・評判調査<教育> 15%
・学生に対する教員比率 4.5%
・学士課程学生に対する博士課程学生比率 2.25%
・教員に対する博士号取得者比率 6%
・大学の総収入 2.25%◇研究(量、収入、評判) 30%
・評判調査<研究> 18%
・研究関連収入 6%
・学術生産性 6%◇被引用論文(研究影響力) 30%
参考:THE世界大学ランキング2020-東大は6ランクアップの36位、京大は65位を維持|THE世界大学ランキング 日本版
World University Rankings 2020 | Times Higher Education (THE)
東大でも36位、京大でも65位と世界からみると日本の大学はそこまで存在感はありません。アメリカ、イギリスは日本と同様非常に学費や生活費が高いので今回の趣旨から外れるので除外しますが、世界大学ランキングではアメリカとイギリスで上位を占めています。今回はこの大学ランキングの中で目立つ学費や生活費が安い国をピックアップします。
ヨーロッパでは公的教育費の対GDP比率が107位(2017年)の日本と違い、公的教育費の対GDP比率は高いので学費は日本と比べると非常に安い国が多いです。
国立大学の入学料・授業料は、標準額として金額が決まっています(文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」)。省令によると、平成17年度以降、昼間部の入学金は28万2000円、授業料は53万5800円、夜間部の入学金は14万1000円、授業料は26万7900円となっています。
LMU Munich
例えば世界大学ランキング32位のドイツ、ミュンヘンのLMUの学費は無料です。とはいえミュンヘンは住宅難のようなので、家賃も生活費も高くなるので注意が必要です。ドイツの大学生の平均支出は、生活費や滞在費込みで1ヶ月864ユーロ(約10万円)とのことです。ドイツは学費が無料の州が多く、格安で高度な教育を受けるなら狙い目の国でもあります。
Attendance at Bavarian universities is generally free, but a semester fee is payable for each term. The Semester Fee at LMU currently (summer term 2018) amounts to 129.40 euros. T
以下の記事では2019年の情報ですが留学生でも学費が無料、格安のヨーロッパの国であるノルウェー、ドイツ、アイスランド、オーストリア、フィンランドを紹介していますので参考にしてください。
国立台湾大学
120位の國立臺灣大學(国立台湾大学)は、1年の学費生活費も併せて約100万円程度から生活できまるようです。
参考:Office of International Affairs, NTU
南京大学
また物価の高騰している中国ですが、中国の地方大学も非常に安く生活費を抑えられます。
144位の南京大学の年間学費は5200元(約8万円)からと非常に安く、月の生活費は1500元(約2万3千円)でも暮らせるようです。学費と生活費を併せて単純計算すると年間約23200元(約36万円程)です。
参考:【中国ニュース】物価も高くなった中国。大学生の生活費は一体いくら?|おたぽる
University of the Witwatersrand
194位の南アフリカのUniversity of the Witwatersrand年間の学費は42140南アフリカランド(約25万円)の学費です。
Indian Institute of Technology of Indore
301-350位のインドのIndian Institute of Technology of Indoreの2017年度の年間の学費は3000USD(約32万円)、生活費は食費等を除いて、たぶん寮に住んだ場合の年間生活費は600USD(約6万4千円)。
University of the Philippines
401-500位のフィリピンのUniversity of the Philippinesの学費等諸費用併せて約37000ペソ(約8万円程)、最も高額な大学キャンパス内に住んでいた場合でも生活費は年間25万円程と費用も安い。
参考:https://upd.edu.ph/admissions/fees-and-other-information/
University of Campinas
世界大学501-600位のブラジルのUniversity of Campinasは学費無料。公立大学は学費が無償のところが多く狙い目。生活費は食費と家賃を含めて一ヶ月約400USDから約600USD(約4万3千円~約6万5千円)。単純計算すると年間費用は約52万円から約77万円。http://www.internationaloffice.unicamp.br/information-sheet/
Mae Fah Luang University
601-800位のタイ、チェンライのMae Fah Luang Universityは2017年の学費は、例えばB.AのEnglishは1セメスター26000THB(約8万5千円)。単純計算すると1年の学費は約17万円程。タイのチェンライの生活費はバンコクと比べると非常に安いので、かなり狙い目。授業もこの大学はほとんどすべてが英語コースというのもタイ語を習得しなくても入りやすいのがいい点です。
タイの一昔前の有名大学と言えばチュラロンコン大学やタマサート大学だったのですが、そちらより世界大学ランキングの評価はこちらの方が高いのには調べていてちょっと驚きました。
海外留学の低コストな国まとめ
とにかく低コストでみていくと教育レベルが高い中国の地方都市の大学がおすすめ。次点で英語で授業を受けられる点も鑑みフィリピン、インド、次いでタイ、最後にブラジルがおすすめです。また生活費が高くなりますが、ドイツも穴場なのでこのあたりで検討するといいでしょう。台湾も地方なら生活コストが安くなり結構いいかもしれません。
インドに関して言えば、場所によって大学の学費も生活費も大きく違うのでよく調べて大学とコンタクトを取ってみてください。ちなみにインドでは国籍によって学費などの料金が大きく異なりますのでご注意ください。
インドのように留学生と現地の学生で支払いに大きな差がある国は結構ありますので留学の際は留意して、情報を集めてみてください。
留学中の学費と生活費をまかなう方法
給付型奨学金
低リスクで学費と生活費を補填するにはどうすればいいか。まず給付型の奨学金をさがしてみましょう。給付型奨学金は通常は返す必要がない学生生活を援助してもらえるお金です。ただし条件を満たさなかった場合、返還の義務が生じる場合もありますので条件をきちんと把握しておきましょう。
外国政府等の奨学金
諸外国・地域の政府または政府関係団体では、その国・地域の大学などへ留学する日本人を対象に奨学金制度を実施しています。支給期間は主に1年以内です。また、留学先校を本国側で指定される場合が多くなっています。http://ryugaku.jasso.go.jp/scholarship/scholarship_foreign_ongoing/
筆者もかつてお世話になったことがありますが、国によっていろいろと条件がことなります。筆者の場合は3年間のコースの期間を全て支給されました。外国政府奨学金だけdでは学費と生活費をすべてまかなうことは困難なことも多々ありますので、留学する国の事前の情報収集が肝要です。
日本学生支援機構の海外留学支援制度
かなり条件が多く厳しいのですが、申請するには以下のような条件を満たす必要があります。以下は学士過程の給付型奨学金を申請する場合の2020年度の条件でした。
次の(1)~(17)に掲げる全ての要件を満たす者とします。
(1)日本国籍を有する者又は日本への永住が許可されている者(特別永住者を含む。)
※本「募集要項」でいう「日本人学生等」には、日本国籍を有する者の他に日本への永住が許可されている者(特別永住者を含む。)を含みます。
(2)次のアからウのいずれかに該当する者
ア.留学期間終了後、将来的に大学や研究機関等において、日本の国際競争力の強化や国際社会への知的貢献に資する教育研究を行う意思を有する者
イ.留学期間終了後、将来的に国際機関等の中核的な職員として国際貢献に資する活動を行う意思を有する者
ウ.留学期間終了後、将来的にその他の機関において、ア又はイに類する活動を行う意思を有する者
(3)国費による本制度の支援を受けて自身が留学で得た経験や成果を、将来にわたって日本社会に還元し、国や社会に貢献する者で、かつ機構が依頼する各種イベントへの参加、書籍への執筆、調査等に協力する者
※留学先での日本のPRの実施や日本での留学報告会、留学経験を踏まえた社会貢献活動に参加することも含まれます。これらの活動状況については、支援期間中及び支援期間終了時から5年間、年に1回実施する派遣学生状況調査において報告を求めます。
(4)応募時までに、国内外の高等教育機関(大学院、大学、短期大学、高等専門学校(第4学年以上)、専修学校の専門課程)及び諸外国(地域)の大学入学準備コース等に在籍したことがない者
※日本において、高等学校相当として文部科学省が指定した外国人学校一覧は、別紙2を参照してください
(5)応募時において、日本に居住している者
(6)次のアからキのいずれかに該当する者
ア.日本の学校教育法に基づき設置された高等学校等(高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部、専修学校の高等課程、高等専門学校の第3学年の課程)を支援期間開始時までに卒業若しくは修了する者、応募締切時において高等学校等を卒業若しくは修了後3年以内の者
イ.文部科学省が指定した外国人学校を支援期間開始時までに修了する者、又は応募締切時において修了後3年以内の者
※日本において、高等学校相当として文部科学省が指定した外国人学校一覧は、別紙2を参照してください。
ウ.外国の大学入学資格である国際バカロレア、アビトゥア、バカロレ、GCE Aレベルを支援期間開始時までに取得する者、又は応募締切時において取得後3年以内の者
エ.国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSI)の認定を受けた教育施設の12年の課程を、支援期間開始時までに修了する者、又は応募締切時において修了後3年以内の者
オ.文部科学省が実施する高等学校卒業程度認定試験の合格者、又は支援期間開始時までに合格見込みの者
※「合格見込みの者」とは、応募時において「合格見込成績証明書」が交付されている者を指します。
カ.在外教育施設(高等部)の課程を応募締切時において修了後3年以内の者
キ.日本の高等学校等に相当する外国の課程を支援期間開始時までに修了した者、又は応募締切時において修了後3年以内の者
※2016年11月10日以前に上記の教育機関を卒業(修了)又は外国の大学入学資格である国際バカロレア、アビトゥア、バカロレア、GCE Aレベル資格を取得した場合、応募できません。
(7)上記(6)の高等学校等の長から推薦状を取得できる者(高等学校卒業程度認定試験の合格(見込み)者は除く。)
(8)支援期間開始時から終了時までの間に、留学先以外の大学又は大学入学準備コース、短期大学、専修学校の専門課程、高等専門学校及び外国の教育制度においてこれらに相当する課程に在籍していない者、かつ企業等に雇用されていない者(短時間労働者を除く。)
(9)留学先大学での主たる使用言語の能力が、次に掲げる水準以上である者
① 留学先大学での主たる使用言語が英語である者
応募締切時から過去2年以内に受験した英語能力試験の得点で、TOEFL iBT
(Internet-based Test)の得点が80点、又はIELTS 6.0(Academic Module
Overall Band Score)以上の水準を満たす者
② 留学先大学での主たる使用言語が英語以外である者
応募締切時から過去2年以内に受験した主たる使用言語の語学検定試験の得点が、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)B2レベル以上である者
※留学先大学が求める語学能力にかかわらず、上記基準を満たしていることが応募の条件となります。
(10)支援期間開始前までに留学先大学の入学許可を得ることができる者
※語学力が入学条件に達していない等の理由で、大学が指定する語学学校等で、専ら語学のみを履修することを条件とした「条件付」入学許可を得た者の場合、語学研修期間等については支援期間に含みません。2020年4月1日から2021年3月31日までに学士課程又は大学入学準備コースに入学し、授業が開始されたことが確認できないときには、採用を取り消します。
3※大学入学準備コースに入学する場合は、支援期間開始前までに大学入学準備コースへの入学許可書と、当該コース修了後に学士課程への入学が許可される旨が記載されている許可書の両方(一通の文書にまとめられていてもかまいません。)を入手し、提出してください。大学入学準備コース修了後、翌学期に速やかに学士課程への入学が確認できない場合、本制度による支援を終了します。
(11)支援期間開始前までに、必要な査証を確実に得ることができる者
(12)高等学校等における全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.7以上に相当する者※高等学校卒業程度認定試験合格者及び合格見込みの者は「高等学校卒業程度認定試験成績計算書」(様式ホ)により、成績を算出してください。
(13)外務省の「海外安全ホームページ」上の「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」以上に該当する地域以外に所在する大学に留学する者
※支援期間開始時又は支援期間中に、留学先大学が「レベル2」以上に該当する地域になった場合には、奨学金の支給を見合わせることがあります。
(14)留学先大学での勉学に耐えられる健康状態である者
(15)家計支持者の前年の所得金額(父母共働きの場合は父母の合算額)が、原則2,000万円以下である者
(16)留学中の本人に代わり、日本国内で、確実に事務手続き等の連絡を取り、安全確認等を行うことができる連絡人を有する者
なお、国内連絡人は、原則として、以下①~④全てを満たす者とします。
① 日本国内に居住する3親等内の成人した親族(両親、祖父母、叔父・叔母等)
② 派遣学生からの相談等に適切に対応できる者
③ 派遣学生が災害・事故・病気等の不測の事態に遭遇した場合に適切に危機管理対応が行える者
④ 日本語での事務手続きに対応できる者
(17)その他、機構理事長が必要と認める条件を満たす者
≪注意≫応募者は、各自で留学先大学からの入学許可を取り付けるとともに、留学に必要な査証を自身で取得してください。入学許可若しくは査証の取得に日数を要したことにより、2020年度中(2020年4月1日から2021年3月31日まで)に学修活動を開始することが不可能となった場合は、派遣学生としての採用を取り消します
詳しくは下記リンクをご参照ください。
日本学生支援機構の奨学金 | 海外留学のための奨学金 | 海外留学支援サイト
現地でバイトで資金をまかなう?低リスクなら事前に留学資金を貯めるのが吉
現地でバイトをして留学資金を賄うのはかなり難しいと思われます。
その理由ですが
- 学生ビザでは労働許可がないもしくは労働時間に週20時間など制限がある
- 現地の言語をネイティブ並みに話せることを求められることが多い
- 日本人向けの現地求人のある場所はそもそも生活費が高い可能性が高い
その為可能な限り事前に留学資金を貯めてから、留学するのがいいでしょう。
むしろ収入を確保したいなら、インターネットを通してのアファリエイト収入やランサーズやココナラなどのフリーランス向けプラットフォームを留学前に上手く活用しておいた方がいいかと思います。もちろん動画クリエイターとしてYoutubeも活用できるならいいですね。
国内源泉所得は20万円を超えると確定申告を行う必要がありますが、租税条約などで減免など条件が変わる場合がありますので、確定申告前に居住国との租税条約をチェックして、税務署に相談するといいでしょう。また20万円以上の所得が見込めるときは、納税管理人を定めて税務署に提出しておくといいでしょう。
欧米の留学生活で本当にお金に困ったら?寄付型クラウドファンディング
上の記事で取り上げた寄附型クラウドファンディングのGoFundMeは欧米留学中なら、使える可能性が高いので本当に困ったら、寄附型クラウドファンディングで学業に対する思いや状況を伝え、留学資金の継続を訴えてみてください。また税金に関しては居住国にて掛かる場合もあると思いますので、しっかりと事前に調査を行ってください。
寄り道しても留学できる!まずは海外ボランティア
語学に不安があって留学できないということだったら、家賃や食費無料の海外ボランティアで無料語学のクラスを提供しているところなどを探してみてください。
Workaway
Workawayは世界最大のWork Exchangeプログラムを提供しているプラットフォームです。28米ドル(約3000円)の登録料を支払った後、世界中のホストがある程度の労働を対価として宿泊場所や食事などを提供してくれるので低コストで海外で滞在できます。住居や食事の提供の条件などはそれぞれホストごとに異なるので注意が必要です。
World Packers
Win an exclusive discount to travel with Worldpackers
World Packersも似たようなWork Exchangeプラットフォームですが、中南米に強いプラットフォームです。登録料が49米ドルと高いが現在プロモーションコードで29米ドル(約3115円)の登録料。非常にホストとワーカーの身分確認に力を入れていて、安全の確保に力を入れています。またホストとの問題で追い出される羽目になったときの宿泊代金3日分を提供する保険もあります。
WWOOF
WWOOF – World Wide Opportunities on Organic Farms
世界中の有機農業を行っている農場でボランティアとして働ける老舗のサイトです。
ホストの求める労働を対価として無料の宿泊場所と食事が提供されます。
Camphill Movement
Camphill Worldwide : Creating opportunities for people with special needs
障碍者と共同生活を行うキャンプヒル共同体でもボランティアを募集しています。ほとんどのキャンプヒルではボランティアの合間に無料の現地語学クラスを少しですが提供しています。
留学前の準備
- 留学に必要な語学能力や銀行口座残高、年齢などの条件を確認。
- 給付型奨学金などの申請
- 海外送金の方法や現地通貨を入手する方法の確立
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中国などの特殊な国は中国で使えるアプリのダウンロードなど準備も肝心
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住民票を抜く、国民年金の任意加入していくかどうかなどの事務手続き
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留学先の指定を満たす医療保険の加入など
- 留学資金を補填するためにランサーズなどの登録、ブログの準備など
まとめ
非正規労働者が3割を超え、雇止めにあったり解雇され、また戦後最大の新型コロナ不況に突入している現在は、貸与型奨学金で借金をして学費の高い日本の大学に進学することは個人にとってリスクが非常に高い行為です。
学費と生活費の安い海外の大学などの高等教育機関で学ぶことでこういったリスクを回避できるのだとしたら、俗にFランなどと称される大学に進学するより、海外で挑戦するのが妥当ではないかと思えます。
海外に出ることで現地語学を習得できるとしたら、それだけでも日本に帰国した時には一つの強みになります。また専門分野という強みを掛け算であわせもてばその傾向は更に強まるのですから。