今週のお題「会いたい人」
思うところがあり現在休止中のインド古典音楽ですが、コロナが収まったらまたインドに行ってグルジー(師の呼び方です)に顔を出さないといけないなと感じています。
コロナのせいというわけではないですが、やや鬱っぽい症状は随分長いこと続いていたと思います。
最近ようやく活動意欲と人との交流意欲が湧いてきたので、疎遠になっている方々と段々コンタクトを取る方がいいかなと思っていたところです。そういう意味で今週のお題「会いたい人」はちょうど良かったかもしれません。
私は合計すると7年をインドで滞在しましたが、そのうち3年半ほど今週のお題「会いたい人」のグルジー、Pt.Ajay Pohankarの下で毎週3回ほど通ってレッスンを受けていました。インド古典音楽はその豊かな旋律で世界に広く知られた古典音楽です。その魅力にはまってインドに初めて留学したのが2006年のことでしたが、グルジーの元に通っていたのは2015年から2019年まで。
インド古典音楽の旋律は、ある一定の形式に則ったラーガと呼ばれる旋法で紡ぎだされます。インド古典音楽は即興をベースとした音楽なので、同じラーガでもその演奏者の芸術性や個性が十人十色で表現される、そんな魅力がある音楽なのです。
グルジーが下で歌っているのはRaga Jayant Malharという雨期のラーガです。Malhar系列のラーガは結構ありますが、私が最も好きなラーガの一つRaga Miyanki Malharとこれまた好きなRaga JaiJaivantiの二つの特徴を併せ持ったラーガです。
雨期のラーガはどこか物悲しく、それでいて何か光がどこかから差し込むようなそんな部分が私の心を打ち郷愁を誘います。
7:51秒から歌っているのは、Thumuriという軽古典音楽という形式で歌詞を中心とした即興が魅力で、色々なRagaを演奏の中で歌っています。
日本の梅雨にはちょっと早いですが、雨を象徴する音楽は何かを洗い流してくれると思えます。このステイホームの時間に会いたい人を思いながら、聴いてみるのもいいかもしれません。